宗棍

宗棍
今野 敏/著

今野敏の唐手小説にハズレなし!!!
「玉城が宗棍の腹を蹴り上げてきたのだ。/そのとき、宗棍は咄嗟に前に出ていた。/するりと相手の蹴りをかわしながら、拳を突き出す。それが相手の顔面を捉えた。/さらに夢中で相手のあばらのあたりを打っていた。気がついたら、玉城が倒れていた。」
この引用で、立会が脳内再生された方は読むべし。
工業的に高温高圧で激しく窒素固定するハーバー=ボッシュ法に対して、豆科植物の根瘤細菌はニトロゲナーゼで穏やかに窒素固定していく。
「武道の技の速さは肉体的な速さではない。意識の速さであり、技を出す拍子の速さなのだ。」
至言と思う。
#本